グロリア/ミナト 螢
 
漠然とした欲求の中で
表現という橋を渡っている

右手に持ったペンの感触が
やっぱりここだと思わせるほど
ノートの上で走り回りたがる

消しゴムの体が小さくなる度に
良い作品が書ける気がして
余白を消しても何も生まれずに
罫線だけが骨のように浮かぶ

許された言葉を使いながら
真っ直ぐな道を選んだ勇気に

今を支えてる過去の光が
背中を突き抜け心を撫でる時
震える右手が確信に変わる

その瞬間を集めて生きられたら
どこへでも行ける虹を揺らして
星の声ひとつ聞いてみようか
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