.xxx/青花みち
ここが夢か現実かなんてきっと一生わからない。揺るがないものなんて何ひとつないんだと、停電した部屋のすみでキットカットをかじっていた。あたしただのバグで、この部屋はゴミ箱で、正常値を保つために世界から取り除かれて捨てられたのかもしれない。そんなことないよって、また考えすぎてるのって、きみに笑われるのは承知のうえで、それでもあたしは無表情のままいらないファイルをワンクリックで消すきみをいつも恐ろしく思う。
停電が明けて四角い箱がひかりで満たされたなら、真っ先にきみに電話するよ。作った覚えのない無題のファイル、捨てないでねって。名前をつけてくれるのはいつだってきみしかいなくて、あたしはずっと順番待ちをしている。あたしバグじゃないよ。きみがいい加減に優しい間は、どうしたって、本当に。
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