一休さんの屏風の虎/TAT
 
風の音や雨の匂い
ゴロゴロと空が
気分を害した化け猫のように啼いて
異様に生ぬるい温かい空気がシャツのひじを舐める
やばい来るぞ来るぞと雨を怖れて
そら見ろ一気に来たぞ来たぞと
逃げ場も無いどしゃ降りの雨にやられて
開き直って笑っている
そんな人間でいたい
自由自在に出せる屋根や車や
そういった小賢しい逃げ道は持たずに
ただ来ちゃった時は濡れるしかない
そんな一個の人間で一生ありたいと祈っている
神様に値札を付けられても
恋人を病で亡くしても
眉間よりは口元の皺の方が深い死に顔でラスト死にたい
泥にまみれた水たまりにリーバイスの腰を下ろし
おじいちゃん電子マネーの
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