必然と偶然/こたきひろし
セックスをした日時とその時の回数
その都度の感想をノートにつけていたのは
若い夫婦の婦の方だった。
職場の同僚
彼の奥さんだった。
午後の休憩時間に聞かされた話だ。
好奇心を刺激されたが、彼がそれを読む否かは聞けなかった。
性の興奮と快楽。
それを記録する女性の心理は何だろう?
多いに興味が湧いたが、休憩時間は短かった。
私の妻はそんな記録をする女ではなかった。
偶然と必然が交錯する日常の中で
私は少なからず卑猥な感覚を呼び起こされた。
それは職場の同僚が仕掛けた
悪戯な罠だったのかも
しれないが。
男は好色だ
女もまた好色だ。
それをあからさまに感じた
ある日の午後。
戻る 編 削 Point(1)