明日に架ける橋〜Sail on Silvergirl〜/クリ
わば、真剣に感情移入しないと味わえないんだけど、嘘と分かっていながら、お芝居と思っていながら、号泣したりする。
あれは共同作業でしょ、俳優と観客の。だから二者の心の中は同じではないとしても、非常に近い。
そういう意味で芝居ってかなり完成度の高い芸術だと思う。もちろん出来不出来は別。方法としての完成度ね。
五官全部使えるし、使おうと思えば。
で、芝居って、その「ステージ」の周辺は関係ない。横っちょを車が通っても、烏が鳴いてても感動できる。
場合によっては次に誰がどんなセリフを言って、どういう演技をするか知っていても、それでも泣く、笑う。
だからこの場合、「背景は目に入らない」 というか、なんの障害にもならない。
だから、背景はどこまでも見ていいし、調べてもいい。けれどそれは作品にはなんの影響も与えることはない。
もし背景を見てがっくりする人がいれば、その人はまだ子供なのだと言い切ってしまおう。
映画やテレビを見て、子供は本気で泣く。大人は嘘ん気で泣く。
嘘ん気でもボロボロ泣ける、これが感受性ということだと思う。
長いのでもうおしまい。
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