生まれかわりの手ざわり/青花みち
 
死んだ時に見られたら恥ずかしいものってなんだろうね。なんて話題はドーナツをかじりながら流すくらいでいいでしょ。この体がそうであるように、恥も心配もあの世には持っていけないよ。わたしが思案してるのはいつだって次のことばかりで、陶器が好きなのはきっと探しているから。ぬしりとしてひやりとした、指先でなぞらえて、心地のいい感覚を。いつかのその時のために覚えようとしている。触れて、こっそり歯を立ててみたりして、ずっと探している。薄っぺらい手のひらに収まる大きさの、なるべく底が丸いやつ。つるりとしたものよりもほんの少し面の粗いものがいいな。この皮膚に馴染むよう、きめ細かな皺を埋めるよう、わずかに、わずかに砂っ
[次のページ]
戻る   Point(2)