コウソクのシ/狩心
世界を己の有限とした
コウソクのシは破綻して
散り散りになった我が断片は吸着し
爆発し続ける心臓を取り囲む地表となり
吐く息は大気となり
記憶の奥底に僅かにあった地球という惑星になった
惑星の中にいて
宇宙人の侵略を受けたとしても
惑うことはない
それは私自身だから
全ては無音のダークマターの中に鎮められ
鎮魂歌となるコウソクのシは永遠に訪れさせない
時空を超えて繋がり合う爆弾処理班が
孤立しているものは一切ないと
証明し続ける限り
夜空を見上げると流れ星がひとつ
何年生きてきたか
いつ生まれたかも思い出せない
そう思った瞬間
花火のように現れる物凄い数の流星群 どんどんと増えて
夜空の黒を余すところなく
真っ白に染め上げた
地球のエンジン音が鳴り響く
太陽系を離れて 流星群に合流するのだろう
私は
誇らしかった
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