星/田中修子
 
いまおもえば
恋人だったようなひとに
レイプされていて
いたくていたくて
ともだちのなまえをさけんだら
もっと興奮させろと
はたかれるのだった

腕は血まみれになって心臓が痛いのだった
おなかを石で思いっきり殴るのだった

お母さんとお父さんが
「ふたりのため」と
へやをくれ
「うちにはぐあいのいいときだけおいでなさい」
って

仕事が終わると
帰るところがなくて

真冬で、公園で
ブランコこぎながら
ビールを飲んでて
みあげたら
頬を切るような風がふく深い夜に
めくばせくれる星があって

星になれたらいいなぁ


公園のくさむらで

[次のページ]
戻る   Point(5)