星/田中修子
いまおもえば
恋人だったようなひとに
レイプされていて
いたくていたくて
ともだちのなまえをさけんだら
もっと興奮させろと
はたかれるのだった
腕は血まみれになって心臓が痛いのだった
おなかを石で思いっきり殴るのだった
お母さんとお父さんが
「ふたりのため」と
へやをくれ
「うちにはぐあいのいいときだけおいでなさい」
って
仕事が終わると
帰るところがなくて
真冬で、公園で
ブランコこぎながら
ビールを飲んでて
みあげたら
頬を切るような風がふく深い夜に
めくばせくれる星があって
星になれたらいいなぁ
と
公園のくさむらで
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