真夏の太陽に/こたきひろし
がら、何を言ってるんだスコップなんてあるわけないと、首を横に無言でふったら、女のこは困った様子を見せた。
駐車場の隅の草むらにでも穴を掘って埋めたいんですけど言う女のこに、先の尖った板切れがある事を思い出した。それは捨て場所かなくて人目のつかない所に隠してあった。
私はそれを使って草むらの固い土を何とか掘ると、鳩の死骸をその穴に女のこは無造作に入れた。
私はすばやく土をかけて上から足で踏みつけた。
思えばとても残酷な葬り方だが、何の感傷もなく済ませた。
安堵した顔して自分の持ち場に戻っていく女のこの痩せた尻は作業ズボンのなかに埋もれていた。それが何だかとても可愛いそうに思えた私は、いたって性欲の強い老人に間違いなかった。
私はふたたび一人作業に戻った。
孤独な仕事に戻った私はそれから暫くの間、何故か砂漠に置き去りにされた駱駝のような気分に閉ざされてしまった。
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