真夏の太陽に/こたきひろし
 
真夏の太陽に眼も火傷した。
もうこれ以上たえられない暑さに気が変になりそうだ。
屋外に出るのは命に危険だと市の防災放送が盛んに注意する。
しかし屋外で働かなければならない我が身は逃げられなかった。

今年は蝉の死骸を何度も見た。蝉ばかりじゃない。鳩が死んでいた。見つけたのは若い女性社員で、スコップはありませんかと私の所にやって来た。普段一人作業をしている私の所に。
見れば塵取りを持っていてそのなかに鳩が動かなくなってゴミの扱いになっていた。
胸が平らで尻に肉感のない痩せた女のこはその足らない部分、真面目で人の良さそうな顔をしていた。
きっとまだ男を知らない体だと余計な想像をしながら
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