月のかがみ/秋葉竹
月に、なにする?
月に、って?
吠えはしないで、
月に、嘆く?
ああ、人生って、
嘆いたほうが勝ちだったっけ?
負け、だったっけ、生きるって?
子供のころ、
きっといつかは人生は終わるんだと
知っていたのは
ごめんね、
ただの言葉で、でしたよ。
あの頃もう果てない旅の目的地など
これっぽっちも目にできるはずもなく、
日々の、
小さな悩みに足を取られたり
変わらない自分を引きずったりしながら、
かわいそうにも朝は前だけ向いて
歩かなければならなかった日々、
どこにも
だれも
いっしょの人なんて、いやしない
って、
こ
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