こたつの中で。/千翔
 
こたつの中でぼくは、猫を見つけました。
その猫はこたつの中であっちへ行ったりこっちへ行ったりしていました。
ぼくは、こたつの布団をめくりつつ、尋ねました。
「何してるの?」
「今日と明日の境目を探しているんだよ」
「そんなのないよ」
「いいや。あるね」
「・・・・・・」
この猫は狂っている。
必死に今日と明日の境目を探している。





早く明日にいきたいんだろうか。




ぼくはいつまでも「今日」に留まっていたい。
そう思って、猫をこたつから出した。
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