詩集を二冊出してみて/葉leaf
 
に変容していくか、それを跡付けようとした。
 売れ行きは第一詩集の方が良いようだ。だが評価としては第二詩集の方が高かった。第一詩集は単なる作品集、第二詩集は明確なコンセプトに基づいた実験詩集というのが私の中での位置づけである。
 詩集を出すことで私は盛大に承認された。それらは何かの賞を獲得したわけではないが、色んな人からいろんな反応を受け、私は自らの行為がここまでの承認を獲得したのは初めてだった。詩集を出すということは私の人生の中でも大きな事件なのであり、それは否応なく自らの立ち位置を変えていく。盛大な承認を得ることは詩作に対する余裕を生むし、自らの自己評価を高める。健全に自己を承認できる大人となれるのである。
 要するに、詩集を出すということは社会的にも実人生的にも事件なのであり、それは自らの社会的地位と自己承認を高める。たとえ自費出版であっても、詩人が詩集を出したがるわけである。

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