夏は暑いね/青花みち
がいを繰り返す。熱がこもって死にそうなんです。「夏は暑いね」こちらに目もくれないあなたは高校野球を見ている。「夏は暑いね」あなたが野次を飛ばしたその男の子には家族がいて友達がいて好きな子がいるの。パワプロのキャラじゃないよ。関係ないでしょうよ、それはそうでしょう。それにしても「夏は暑いね」
色鉛筆にあるかどうかでしか色の定義ができないあなたと言葉を交わすたび、わたしを守る子どもがひとりふたりと死ぬ夢を見ていた。唇を舐める。塩辛くてむせる。そんな夏です。平凡なおしまいです。
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