Kodo/唐草フウ
 



私がひとり降りた夜
バスは静かに荒く息を吐き出しながら
また次の者を乗せ降ろしして
それ自体 拍動しながら
もう 見えなくなっていく
のこされた私は
安堵を荷物に 歩き出す
足元には
まだ、








りんごが
ぼとん

手から
落ちた
地面の
振動
赤く 噴き出す








温かい掌に
とつぜん氷をつかんで握りこむ
溶けていくほど おたがいの別れを どきどきと感じている







白い躰のあなたを
肌の色のある私は
もろうでを開き ぎゅっと密着する
私の中に あなたの水脈が広がり
うねりながら 攪拌(かくはん)していく
あなたは一定の規則正しいリズムで 動いて 動いて
干からびたカナブンのように 突然終わった

まだ私のからだにある心音の余韻、














                                
鼓動



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