いいじゃないか、それで。/よーかん
んでいるジブンはトラ君ではない。文字を打ち込む気分ではないから、サニーフェイスのギフトを三回おして、どうもと書いて、笑顔の絵文字を選んで送信した。
志津駅で乗車し、座ってすぐにタブレット端末をバッグから出したボクを、斜め前のフェドーラ帽を頭にのせた老紳士はジロジロと眺めはじめた。ボクの服装が作業着であることなど、このヒトに理解できるはずがない。静電気防止安全靴に、ディッキーズのストレッチスキニーパンツ、ヒンヤリクールマックスの2Lをぶかっと来た中年オトコなぞ、彼の眼には碌でもない、最近はいて捨てるほど街にあふれている、チョンガーの薄汚れたオトコの中の一人にすぎない。
チョンガー
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