天日干し/草野大悟
とびっきりの良い天気に浮かれた医者が
いっちょやりますか、天日干し
頭をカパパッと開いて
脳味噌の天日干し
カパパッと開いた頭の中の
脳味噌の襞には
初めて外気に触れて
すっかり有頂天になった
鬱積や
夢
愚痴や
愛
その他諸々が
ちょろちょろ走り回り
医者に
われわれわあ〜
最後まで戦うぞお〜
シュプレヒコ〜ル
連呼、連呼、連呼
温厚怜悧な彼もさすがに切れ
何と戦うんだコノヤロ
さきほどまでのハイな気分も飛んでしまい
勝手にやってろバカヤロ
走り回るもののひとつを捕まえ
チタンでぱちんとクリップして
さっさと閉頭
あっ、先生
て、天日干しが・・・
滅多にない天日干しのチャンスを逃した脳は
鬱積や夢、愚痴や愛その他諸々を一列に並べて正座させ
くどくどねちねち
ねちねちくどくど
生きてゆくことのパズルを
エンドレスモードで説き始めている
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