色世界/桜 葉一
 
季節が黄緑になりかけた頃

風はあまりにも無色で

恋はピンクのまま終わった

嘘を青で塗りつぶし

プライドは赤と一緒に捨てた

友と名のつくものはすべて黄色に見えていた

朝の街は黒い塊で

夜は空に白が浮かんでいた

誰かが灰色だった
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