夏の夜の夢/
福岡サク
氷が溶けて鳴る
その音に瞼をひらいた
汗をかいたグラスにジンのなごり
君の香りを撹拌する空調
目覚めぬそのまぶたを震わす夢に
嫉妬しながら氷をつかむ
さあ グラスにもう一杯の媚薬
蜥蜴みたいに冷たい君のからだを
溶かしながら眠りに堕ちたい
戻る
編
削
Point
(3)