指で色づき始めたつぼみを撫でながら詠むうた/秋
表情を知らないつぼみを唇ではさむ昼下がりの空のした
唇に花びらの裏の淡い色ついたと騒ぐ君が剥がれて
太陽を閉じたつぼみで隠すとき熱がしとしと茎に滴る
置いてきたひかり、はるかな百合の茎、「かみさまあたしをにくんでください」。
その色を定めたひとを知りたいと、滴る雫飲みほす旅へ
味のない透明さえも手のひらに乗るのだろうと呟く君は
襟元を濡らす雫は栄養度パーセンテージで二百を越えた
メーターを振り切った針 胸に抱き目を伏せ足を組み換えるとき
爪先に雫、到達。くるぶしに残った道を消すべきなのか?
揺れる葉があなたの腕に似ていたと言えば雫は消えるのですか。
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