胃癌くん/八木ヒロマサ
 
にも
幸せ者だったのか、と

改めて、知らされ

生きる喜びを教えられた。

肉体とは、誰もが いずれ
お別れしなくちゃならない

最期は悔いなく、と言うけど

ほんとうに悔いなく、逝けるのか

闘い抜いて、抜けるような

青空に染まって、とびっきりの

笑顔で、我が人生に悔いなし。

で、白い灰になり

さようなら、と自分に叫ぼう。

それまでは、好きなことを
おもいっきり楽しめばいいさ。

自由に、縛られることなく

ねえ、胃癌くん。
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