足音/
猫の耳
穏やかに過ごせた夜に
針のように
突きさしてくるのは
鏡に映る自分自身
必死で乗り越えようと
もがいても
それが何になるのと
問いかけてくるのも
自分自身
日々に翻弄され
疲れた心は何によって
癒されるのだろう
美しい風景
優しい音楽
爽やかな風
ほんのひとこと
背中に優しく掛けられる
薄い絹のような声
すぐに行かないで下さい
去っていく足音を
聞くのは辛いから
何度も振り返り
手を振って下さい
戻る
編
削
Point
(0)