足音/猫の耳
 
穏やかに過ごせた夜に
針のように
突きさしてくるのは
鏡に映る自分自身

必死で乗り越えようと
もがいても
それが何になるのと
問いかけてくるのも
自分自身

日々に翻弄され
疲れた心は何によって
癒されるのだろう

美しい風景
優しい音楽
爽やかな風

ほんのひとこと
背中に優しく掛けられる
薄い絹のような声

すぐに行かないで下さい
去っていく足音を
聞くのは辛いから
何度も振り返り
手を振って下さい

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