束の間に見た夢/坂本瞳子
 
紅(あか)が降り注ぐ
昼のど真ん中は
生臭くも怪しくもなく
倦怠感を振りまくけれど
威風堂々と誇らしげに
肩で風を抑えつけて
赤信号をものともせず
下唇を乾かせたまま
左右色の違う靴下で
スキップしながら
鼻歌唄って
雨に撃たれたいと
渇いた砂に恋い焦がれ
干からびていくのだろう
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