透明少女/
ミナト 螢
空の傷口から溢れる雨が
髪の毛をとかし束になるまで
触れられることのなかった身体を
守って来たんだ呪って来たんだ
掌を滑る雨の粒は丸く
パチンコみたいに弾かれながら
運命線の先に立ち止まる
ギュッと握り潰して空へ返す
指先を擦り抜けた雨のかけらが
傷を塞いで青ざめた顔を鮮やかにする
運命なんて信じないけれど
雨のち晴れに変わった瞬間は
誰かに頭を撫でて欲しかった
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