父さんをすてた日/田中修子
 
ぎの生にもゆかず
いまのこのぼくの人生が 永遠につづくとして

縋らぬように

もう少し待ってください
革命の見果てぬ夢をみて子を捨て
妻も 友も さきに逝き
老いた体にふときづいて
おそろしがっているぼくの父さん!

あなたをゆるす日を
ぼくがあなたの太母になるというのか
(だから母さんはぼくを殺したのだけれど)
それでもやがて
その青い鳥の羽ばたく音は
きっとおとずれるだろう

……母さんの死骸にありったけ
  そそいだ
  ぼくのひかる血を目印にして……
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