父さんをすてた日/田中修子
ぎの生にもゆかず
いまのこのぼくの人生が 永遠につづくとして
縋らぬように
もう少し待ってください
革命の見果てぬ夢をみて子を捨て
妻も 友も さきに逝き
老いた体にふときづいて
おそろしがっているぼくの父さん!
あなたをゆるす日を
ぼくがあなたの太母になるというのか
(だから母さんはぼくを殺したのだけれど)
それでもやがて
その青い鳥の羽ばたく音は
きっとおとずれるだろう
……母さんの死骸にありったけ
そそいだ
ぼくのひかる血を目印にして……
戻る 編 削 Point(4)