マコガレイ/
春日線香
マコガレイのような夜だな、と言うので、適当に相槌を打っていると、まったくそのような夜が坂下から這い上がってきて、一帯はみるみるうちに水浸しになり、頭の上では海星が暗い血の色をして、あるいはそれが死神の季節を越えるということかもしれず、ただただシャツの裾をはためかす人々があちこちに点在している、マコガレイのような夜だ。
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