みてもいいしみなくてもいいのこと/はるな
 
け合っている。わたしもたぶんもともとはそうだったのだ。形を覚え、意味を(無意味を)知り、そのさきに生活がある。
ことばを好きで、花を好きで、そういうものが生活の輪郭を整えていく。わたしは右腕を伸ばし、左腕を伸ばし、世界に引っかかっていく。歯車はまわりつづけ、花は枯れつづける。わたしはむすめに夢をみなさい、と言う。「なんで?」と不思議がるむすめ、(でもほんとはみてもいいしみなくてもいいよ)と思うけど、くたくたにねむたくて、目を閉じてしまう。


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