嘘だけど赤と紫/這 いずる
 
電柱と電線は空を区切って
千切れた青がばらばらになっていた
繰り返し、繰り返し。そんな気分がしてても。

アスファルトで息ができないって
空の光が落ちて圧迫されてるって

耐えて耐えたらそれは死んでしまった
本に飛び込んでも異物として排出されて
ここにはいられないけれど
ここから飛び出しても嘘だ

青が落ちてしまって
真摯な手のひらが薬をつまむ
朝か夕方かどっちでもいいくらい
赤と紫の雲がきれいに見えた

私、きっとまだ生きてても大丈夫だって
大丈夫だって

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