オーガニック・ポエム/043BLUE
 
群集の中で
ぼくの右足は
冷え切った
アスファルトに埋没する

群集の中で
ぼくの右腕は
浮遊しながら
手探りをしている

ぼくの叫びは
都市をすり抜け
郊外の鉄塔に砕け散る

飛散した言葉は
腐乱し
肉体を養うだけの
肥やしとなる

ぼくの肉体は肥大し
ぼくの魂は収縮する

ぼくの声は
ひとり歩きし
ぼくの知らない
誰かを傷つける

どんなでもいい
ぼくという有機体は
一輪の花を咲かせる
に足るだろうか?
戻る   Point(1)