明治通りの夏/番田
腕を振って僕が歩いていたのはいつだろう
角の入口で そんなことを考えていた 僕は
僕自身の中では でも 地図を見ていたけれど
いつから僕は夢の中を歩かさせられていたのだろうか
目を開くと しかし
扇風機の音の向こうに聞こえた気がしたさざなみ
僕が子供の頃に聴いていたはずのかすかな音
僕の夢の子供がはっきりと耳にしていた音
時々そんなことを考える僕が 角を曲がって
立ち止まった ユナイテッドアローズの前で
この先の明治通りで立ち止まったことを思う時
瞼の裏で思っている 街が流行っていた時代のことを
どんな服を着ればいいのだろうかと いつも悩んでいた
たとえそこで目を閉じていないときでも
僕が 人混みで胸を張って 生きていた頃のように
未来の僕が この暗くなった通りに 透き通って見えたんだ
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