冬味幻想/ヤギ
 

灯りを点けない夕方は
何故かどきどきする

小さいときなら遊びつかれて
夕飯まで
少し眠った

ストーブ上のユキダルマ
履き替えた靴下

苛めた犬
ソリのきしみ
耳切る風の冷たさと鼻水
赤い顔して笑うトモダチ
思い出して
満足して

あんなに仲の良かった人達に
もう会わない不思議
どこにも残らぬ甘い幸せ
歳をとって死ぬ不思議
[グループ]
戻る   Point(2)