ラブ・ラプソディ/渡辺八畳@祝儀敷
そ無くなってしまえばいい。
そんなことを思おうともさざれ波の音は鎮まり続けている。
まったく静かなこの景色を粗い紙でさすっているかのようだ。
浜の砂をすくう。
とても小さな巻き貝が混じっている。
指紋の線ひとつひとつで表面の滑らかさを味わう。
私の意識はただ右手の親指と人差し指だけに注がれる。
僅かな光さえも目に入らなくなっていく。
砂のつぶが腕についたまま取れない。
?も?
?ど?
?れ?
?も?
?ど?
?れ?
?列?
?車?
?に?
?乗?
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