ラブ・ラプソディ/渡辺八畳@祝儀敷
 
そ無くなってしまえばいい。
そんなことを思おうともさざれ波の音は鎮まり続けている。
まったく静かなこの景色を粗い紙でさすっているかのようだ。


浜の砂をすくう。
とても小さな巻き貝が混じっている。
指紋の線ひとつひとつで表面の滑らかさを味わう。
私の意識はただ右手の親指と人差し指だけに注がれる。
僅かな光さえも目に入らなくなっていく。


砂のつぶが腕についたまま取れない。



?も?
 ?ど?
  ?れ?
   ?も?
    ?ど?
     ?れ?
      ?列?
       ?車?
        ?に?
         ?乗?
[次のページ]
戻る   Point(4)