多分、これが真実/邦秋
 
翼に合わせて巣を造って
力に見合った高さで飛べ

光らぬ石を磨き続ける
それは至極不幸

「心が向かう方に行け」って
勝手な足で背中を押された勇気で
怪我をしたことはないかい

誰にも譲れない帯びた熱が
見えない冷たい棘を浴びて
心の風邪を引いたことはないかい

青く広がった夢が遠過ぎて届かないと知って
ブーツカットの裾を切るときに
宝箱に隠した情熱を
この現実を生きる力にして

選ぶ者が選ばれていると
気づけないまま

遠い昔からずっと自分を生み出す設計図は
描かれ継がれて今があるから
愛を感じない道は選ばず
開かれた扉からスタートして

自分らしさは大切らしいさ
「だから心が選んだ儘
正直に進め」と薦めたがるのは

行きたい先に鍵穴があって
持っている鍵と形があった
運命に恵まれた幸せな風
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