きみのとなりにユーレイのように/田中修子
 
みのともだちになりたい
かあさんにもとうさんにも
なんとなく話せない
あのことを
ひそひそ話すんだ なん時間だって

きみの先生になりたい
しかめつらしながら授業するあいま
生きることにほんとにひつようなことを
ボソッともらして
校長先生にしかられる

きみの
恋人になり……はべつにいいかな
わりとテレビとか本とかに載っているし
でも、空想と現実はちがうのである
ガッカリするでないぞよ

きみがもう
だれかの
かあさんでありとうさんであり
ばあちゃんでありじいちゃんであり
ともだちであり
先生であり
恋人……はいいんだった

で、あるとして

それでもぼくは
ひつようなときに
ひつようなだけ
きみのそばにいよう
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