気の遠くなりかたについて(山茶花オクリ讃2)/渡邉建志
 
くりする程度までにしか対応できない。痛める
としたら筋がある。筋を大事にするなら、肉を撓わせている左腿を引き寄せれ
ば右脚で地面を蹴ろうとしていた調子がわずかにずれても、二の足、三の足が
踏まれるはずだ。

今度はある程度まとまった論理の流れがある。意識が正常に戻ったようにも思える。

このとき安堵を訴えるべきではない。ましてや雪に続々と不
意を撃たれるとしても、チッなどと歯と舌で音を立てない。それで呼吸が整え
られたとしても、どうにかなる相手と思うな。全力で、昏倒し、全力で、再抵
抗する。雪には雪の戦法がある。

「雪には雪の戦法がある。」!なんだかかっこいい
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