紫陽花の色/
夏川ゆう
六月と聞けば
梅雨がすぐ頭に浮かぶ
梅雨と聞けば
少しだけ控え目な
紫陽花が頭に浮かぶ
雨で薄暗い梅雨
外出はせずに
窓から庭の紫陽花を眺める
雨は止んでもまた降り始める
空は晴れることを忘れて
梅雨の間どのくらい雨が降るのだろう
紫陽花の明かりが柔らかい
少しだけ梅雨が華やいだ
雨音が耳に残る
紫陽花の魅力を引き出す
強くも優しくもある梅雨の雨
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