不運も幸運もすべてシャッフルしたような雨上がり、ひとり洗濯機を回す。/そらの珊瑚
朝から珈琲をぶちまける。おそらく私が無意識にテーブルに置いたカップは、テーブルのふちから少ししはみだしていて、手を放した数秒後引力の法則によって、まっとうに落ちた。……なんてこった。一瞬の気のゆるみが、惨事をまねく。小さい頃からそれは幾度となく体験しているはずなのに、まるきり学習していない。まだ半分覚醒していない脳内に、それはこだましていく。半分覚醒していない脳は、無理やり起こされた腹立ちで、理由のない怒りを産む。なんでおまえは珈琲カップをテーブルにちゃんと置かないのだ。ソファーはまだいいとしよう。革は拭けばなんとかなる。問題は、コタツ敷きだ。もっと早く片付けておけばいいものを、ずるずると6月まで
[次のページ]
戻る 編 削 Point(12)