とある虫。/
黒崎 水華
ー物事に腹這う匿名の脱け殻の群ー
物事は飯事である。
抱えた毒は甘美に膨張して、
麻痺する真昼の縮図
ー奥歯に認めた手紙の歯茎
逆さまに連ねた水飴
盆の上で煩悩は表面張力ー
(言葉遊びは冒涜でしたか?
お嫌いな理由を卑屈に陳列する。
三行半を突きつけて
女は去ってゆく
三匹の猿が憑いて来る
遠雷が近付くと春が騒ぐのです。
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