かんじる?  /るるりら
 
【なにもかんじない】

まるで レストランのパラソルが風であおられたみたいに
ツツジの花びらが一斉に 空に浮かび上がると
のこされたのは雌蕊です  少女のままのこころです
はなびらを失った代わりに 天女の羽衣を纏う日を
夢見ているのですから 少女でありましょう

あまあと が します
フックのような おとめこごろ
あめで ぬれているのか
なみだ で ぬれているのか

雨の中の つつじの花芯は
寂しく尖り せいいっぱいに 上をみあげています
青年が あまおとのむこうから歩いてくるのを みつめていますが
てのひらに光る時計ばかり気にしている青年なのです

はなびら
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