潤い/本田憲嵩
 
メーターが振り切れそうになる
一秒当たりの時間の価値だけが赤く高騰してゆく
それはたとえ休日とて例外ではない


はずなのに
具体的に何をしてよいのかさっぱり分からない
いつもの休日


夕方に近い
昼下がりになって
ようやくウォーキングがてら徒歩で外出する
歩道沿いの
石垣のある民家の庭から
撒かれるホースの水


それが服に少しかかる
花と樹木のためにも
さして気にしないようにして
乾いた歩道を再び歩きだす


(生活には潤いが必要
(でなければ心が乾いて枯れてしまう
(そして、栄養も


別の民家の庭では
家族が賑やかにバーベキュー
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