蛙と星/
ペペロ
まっくろな田んぼに突然、蛙の合唱がはじまった。
その鳴き声をぼくは、星のようだと思った。白くけむった夜空に、あるはずの星……。
感傷的にでもなるのかなと足をとめていたら、蛙の合唱がやんだ。
ぼくは静寂のなかでぼっかり宇宙の闇に浮かんでいた。
からだじゅうの毛穴が開いて開ききって、ぼくは闇そのものになるままに任せていた。
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