僕は転がる/ベンジャミン
僕は転がる
傷を負い
痛みに耐え
自分を抜け出せば
それで終わりにできるけど
まだ転がることができる
昼下がり
陽射しを避けて歩く公園の道
眩しさを縫うように進むとき
小さな段差につまづけば
僕はきれいに転がって
世界はぐるりと回るだろう
僕は転がっている
転がることができている
どんな体勢でも
それがみっともない姿でも
転がる場所が在る
そうやって僕は
いつだって受け止められている
悔しさに地面を叩いても
叩かれた地面は僕を受け止める
だから僕は転がれる
何度でも
常に受け止められていることを知り
僕はそのことに感謝する
戻る 編 削 Point(6)