さらしもののうた/秋葉竹
いをされそうになるが、
そんな、ややこしいものなどではない。
眺めて、眼と、心の眼が、安心する
愛のかたちをみたもの、だとか?
クチビルのかたちはちょっと色っぼくてさ、
こちらからは、下心が、突き刺さった
あの大仰な女の日々の復讐が、私を指名する。
ドラマチックな
危険な想いを野ざらしにして、
傷つき、流血する日常を
認めたくないこの心のすでに老いた未来を。
要領よく生きてしまって、
すべてを受け入れる簡単さと、
いつまでも挑みつづける寂しい思い出を。
それぞれ、一心不乱の通り道として受け入れ、
ときに触れてはいけない哀しみが目元に吹きつける。
ただ、冷たい心の在り方を
受け入れ、受け止め、受け流す、
私はえいえんにあの女にこだわることだろう。
いいえ、ごめんなさい。
言葉を飾ってしまったわ。
私、いつまでも、死ぬまでも、
あの女を愛しつづけることだろう。
ええ、どんな白い眼でみられても。
その、不毛で不憫な愛ゆえに、
さらし者に、されたとしても。
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