道のカケラ/番田 
 
私は目を閉じたときに思い浮かべる
私の生きてきた道に立っている 今も
そして これから 生きていく道があるのだと思う
緑によって街が色づいている 季節には いつも


去年の今頃も見た あじさい
いつのまにかすでに見飽きてしまった風景だ
時の流れは早すぎる
それを 私の新しい体験なのだと思うには 


私が昔いた会社には
知り合いの姿は 私は すでに無いと知っている
皆 一体どこに行ってしまったのか 
しかし 今もこの街の何処かで皆働いているんだ


国道沿いの打ち捨てられた喫茶店の風景
記憶の何処かにある忘れかけた 風景のような
私もずいぶんと曲がりくねった生き方をしてきたけれど
私もずいぶんと波立つ海を横目に生きてきたけれど


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