悪夢から覚めなくて/こたきひろし
 
悪い夢から覚める時はいつも決まって崖っぷちから足を踏み外してた
奈落の底には叩きつけられる事はなくて
踏み外した瞬間に目を覚ますんだ

夢から覚めてしまうと大概は夢の内容を思い出せない自分がいた
かいた寝汗は冷めていくし
隣で嫁さんは寝息を立ててる

ところで私はいったい何にしがみついて毎日生きてるんだろう
そんなの誰も分からないさ

折角かけたから
目覚まし時計が鳴り出すのを待っていた


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