初夏/
本田憲嵩
新しい季節は
昼の休憩時間に不意に訪れる
事務机(デスク)に寝そべりながら
その頭髪は午後の陽光にほんのりと茶色に透けている
まだ汚れも老いも知らない
化粧された瑞々しい肌と あどけなさの残る飴色い視線
抗いつつも
まだ着慣れないスーツのように馴染まない
胸の太陽の羽ばたき
そこには初夏のような熱い幸福と
光合成をする新緑のような活力が確かにある
(新しい季節が訪れる
開け放たれた窓から
そう予感する
空の、青い海に入道雲はひろがってゆく
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