積載/若原光彦
く短いたったひとことが
だれかを傷つけ死なせることもある
ぼくにはTwitterがおそろしい場所のように思える
交通量の多さがこわいのか
いやその車のひとつひとつがこわいのか
その運転手がこわいのか
判然としない
ぼくも運転免許を持ってはいるが
持っているだけなのでかえってこわい
ぼくも言葉や表現にのめりこんできたが
無害だったとは残念ながら言えない
無用ではあったろうけれども
ぼくからすればそんなつもりではなかった
そんなつもりではなかっただけだ
ああなんだかとても
必要な荷ばかり積みこんだ車の運転がしたい
待たれているかなたへと馳せてゆきたい
カーブで中身がかたことと揺れる
この世でもっとも必要とされる荷物
それは命だろう
乗客の命だ
そしてとてもやらかして
怒られるぼくがぼくの目に浮かぶ
ぼくはぼくをぶっ飛ばすので
いつも手一杯だ
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