きっと君はスカラベみたいな瞳で/ただのみきや
今朝は青っ白(ちろ)いぬっぺらぼうすっきりしない暑くなりそう
砂ぼこりに跳ねる光キラリ目の端っこで鰯の稚魚みたいに
きっとありゃガラスの欠片だれが割ったか知らないけれど
小学生の道徳を中学生が破る愚かさに付加価値なんて嘘で
ほら一つまみの白粉みたい蝶々が花一つない駐車場笑って
フワフワはらはら命を調味料みたいに気前よく振り撒いた
向こうを飛んでいるのか眼孔深くなのか時間が大欠伸して
忘却猫の背中を撫でている静かに呼吸するカーラジオから
イソギンチャクくらい自然に結んでは解(ほど)け音楽は言葉より
中性的肉体を辿る指先の反りなのかGを残して煙になって
《きっと君はスカラベみたいな瞳で:2018年5月12日》
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