正確な心拍数の遥かなるマラソンへ出発するためには/英水
 
駅の喧騒の中で、君を待っている
君ではない人たちが通り過ぎていく 

  時計の針は動いて行く

壁に寄りかかって、僕はゆらゆらと揺れている 
君ではない人たちはどこにいくんだろう 

  時計の針は回っている

頭の中に 浅紅色の花が咲いていて 
君ではない人たちが引き連れている風に ゆらゆらと揺れている

  それでも僕は時計の針を見てしまう

時計の針も、ゆらゆら揺れたらいいのに
頭の中の花は、もっとリニアーに屹立していたらいいのに

僕は時計の三本の針を好きなのかもしれない
いつだって、気になって仕方がないからだ

君にこの事実を告白したら
ちょっとは嫉妬してくれるだろうか?

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