アポロで弧を描きながら詠むうた/秋
「人間て、恋する機械なのね」って指でアポロを割る君の声
親指と人差し指についている二色のチョコは既に乾いた
表面のぎざぎざが消え無秩序になってしまったアポロに「ごめんね」
四文字のあとに固まる唇の中に無理矢理アポロねじ込み
桃色じゃない色のチョコの味だけを感じてしまうと泣く君の声
正論を言い聞かせても泣く君は一生アポロを割り続ける君
あまりにも淡い温度の君の髪梳かして、そっと唇寄せる
白かったタオルについたチョコの色に瞬きしつつくわえるアポロ
舌の上に混じり合う色感じてる君のまつ毛が揺れる角度は
閉じられた君の瞼に這わす指「あす、朝六時にアポロ、買おうか」
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